読む人が、違います
デイサービスの紙は、1種類あれば足りるように見えます。
同じ施設の、同じサービスの案内だからです。
ただ、実際に読む人を並べると、立場も、知りたいことも、まったく違いました。
| チラシ | リーフレット | |
|---|---|---|
| 届け方 | ポスティング | ケアマネジャーへ手渡し |
| 読む人 | 通うことになる本人 | 利用者に紹介する専門職 |
| 読んだあと | 「行ってみようかな」と思う | 「この人に勧められる」と判断できる |
チラシは、本人が「行ってみたい」と思うように
ポストに入るチラシを読むのは、これから通うことになる本人です。
まだ介護サービスを検討していない人も含まれます。
だからキャッチコピーは「また行きたい。」にしました。
サービスの説明ではなく、通ったあとの気持ちを先に置いています。
対象や送迎、利用時間といった条件も載せていますが、下部の表にまとめました。
チラシで先に読ませたいのは条件ではなく、
ゴルフ・ダーツ・カフェタイムの写真だからです。
「食事・入浴の提供はありません」も、隠さずここに書いています。
リーフレットは、ケアマネジャーが「紹介できる」ように
手渡すリーフレットの読者は、ケアマネジャーと地域包括支援センターの職員です。
ここで大事なのは、この人たちは自分が通うわけではないということでした。
読んだあと、利用者とご家族に説明するのが仕事です。
つまりリーフレットは、読んでもらう紙であると同時に、説明に使ってもらう紙でもあります。
だからリーフレットには、専門職からの相談を受け付けていることを明記しました。
「ご本人・ご家族はもちろん、地域包括支援センター、ケアマネージャー、
医療・介護関係者の皆様からのご相談も受け付けています」
と書いてあるかどうかで、電話をかけていいかの判断が変わります。
楽しさだけでは、紹介できません
もう一つ、チラシと大きく変えたところがあります。
このデイサービスは、ゴルフやジムの設備を使える点が特徴です。
本人にとっては、それが「行きたい理由」になります。
ただ、楽しさだけを並べると、遊びに行くだけの施設に見えます。
それでは専門職が紹介する理由になりません。
そこでリーフレットには、転倒・排泄・嚥下・認知といった
予防の観点を体系として入れました。
楽しく通っているあいだに何が起きるのかを、
専門職の言葉で説明できる形にしています。
排泄など、触れ方の難しい話題も外していません。
ただし書き方は変えました。
本人が読んで気を悪くしない言い方のまま、
専門職には必要な情報が伝わるトーンで書いています。
同じ施設を、違う角度から説明しています
- チラシ 楽しさから入る。本人が「行きたい」と思う理由を先に置く
- リーフレット 予防から入る。専門職が「紹介する」理由を先に置く
嘘を書き分けているわけではありません。
同じ施設の同じサービスについて、
読む人にとって意味のある側面を先に出しているだけです。